繊維製品(ゴムひも)の黄変について

保管中の白・生成・淡色の繊維製品(ゴムひも)の黄変には、繊維自身が日光、空気等の影響で黄変するもの(毛、絹、ナイロン、ポリウレタン等)のほか、いろいろな原因で黄変するものがあります。

その多くは、潜在因と起因が複合相互作用して発生しているものと思われます。

要因としては、

●蛍光増白剤、仕上げ加工剤
●汚染した大気、ガス類
●ダンボールその他のリグニン分解物
●繊維、包装フィルムの酸化防止剤(B.H.T:ブチル・ヒドロキシ・トルエン等)
●天然ゴム類の加硫促進剤、老化防止剤等の添加剤

 

これらの要因に、光、熱、水分が加味されると、黄変が促進されます。

蛍光増白剤では、直接染料型、酸性染料型の多くは、光、熱、大気汚染ガスで黄変しやすく、量が多いほど黄変します。

生地に使用される仕上げ加工剤、柔軟剤の多くはアルカリ加工剤で、添加物(老化防止剤等)が、汚染した空気(Nox,Sox)、光、熱、水分等の影響で酸化され、アルカリ性加工剤の残留している繊維上で発色します。

たいていの黄変は、空気と触れる部分に多く発生していますが、これは、汚染した空気が大きく作用していると思われます。

紙、ダンボールには、リグニン分解物のバニリンが含まれており、このバニリンが昇華し、繊維上で黄色になります。高温、高湿でその進行が促進されます。

包装用フィルム袋(ポリエチレン、ポリプロピレン製)のほとんどに抗酸化剤が含まれています。酸化防止剤としては、一般的にB.H.T(ブチル・ヒドロキシ・トルエン)が広く用いられていて、保管中の環境条件によって昇華し繊維を黄変させます。

B.H.Tは無色で、繊維製品が酸性であれば黄変しにくいです。

また、天然ゴム類製造中に添加される加硫促進剤、老化防止剤その他の添加物の中には、熱、水分、汚染ガス等の影響で昇華し、繊維製品上に移動発色(黄着)するものもあります。

 

これらを防止するには、なかなか困難ではありますが、現実面の対策としては、

●空気の換気を良くする
●製造工程中に、繊維その他に付着している油剤等の除去のためソーピングを徹底する。
●水分(湿気)、熱、ガス等が滞留しない場所での保管
●長期間の保管を避ける
●石油ストーブ・石油ファンヒーター等の暖房装置の改善(窒素酸化物のガスが出ないようにする:エアコンなどの装置にする)
●酸性加工を施す(希釈した薄い有機酸で加工)
などが考えられますが、現在、繊維製品の黄変事故はいろいろな要因が複合的に作用する結果発生するので、良い解決法はなかなかありません。

また、この種の事故は、洗濯や日光暴露で除去出来る場合もあります。

 

 

コメントは受け付けていません。