ゴムの品質とは何でしょうか? その1:耐久性

現在使用しているゴムで下記のような苦情・クレーム・トラブルが発生していませんか?

1.洗濯をして室内で干していたら黄変してしまった。

2.腰ゴムがきつくてお腹に食い込む。               

3.ゴムが弱すぎてずり落ちる。

4.数回穿いただけでゴムが中折れしてしまった。

5.数回の洗濯で劣化した。

6.ゴムが“スリップイン”した。

衣料用のゴムの選定にあたっては、まずそのゴムの「品質」を決定する下記のような試験をする必要があると考えています。

1.ゴムの耐久性試験①「熱」「光」「屈伸」「洗濯」のストレスを与えた結果のそのゴムの品質を見る「サイクル耐久性試験」
②ドライクリーニング耐久試験
③塩素耐久性試験(水着選定の時に必要)
④耐サンオイル試験(水着選定の時に必要)
⑤耐ホルマリン試験(ベビー用選定の時に必要)
2.黄変試験製品になった商品の「黄変の発生」の可能性を見る。
3.スリップイン試験 製品になった商品の「スリップイン」の可能性を見る。
4.ピリング試験製品が洗濯等で「ピリング」が発生しないかを見る。
5.各伸長時のパワー試験「着用感」をチェックするデータとして一番重要な数値。
6.中折れ試験その腰ゴムが「中折れ」しやすいかそうでないかを見る。

衣料品でのゴムの大きなクレームやトラブルの発生原因は、特に「コスト重視」の結果、ほとんどのゴム使用でその試験をしていないことによる要因がほとんどです。

もし、完璧なゴムを追求する場合には、上記のすべての試験をする必要があると考えます。ところが、最近になって上記試験の問題が発生した場合、消費者がその商品を再購入しないという状況が強くなってきており、最低限の試験は必要な状況となって来ています。 

                                                                               そこで、商品を市場に出す前に気を付ける点は何かを考えると…

1.消費者が購入後、劣化しにくいゴムの使用

2.消費者が着用感が良いと感じるゴムの使用

3.消費者が着用した時に腰ゴムが中折れしないゴムの使用(用途によります)が最低条件として考えられ、以下の試験が重要だと思われます。

1.ゴムの耐久性試験「熱」「光」「屈伸」「洗濯」

ゴムの品質の見方として現在広く採用されているのが、対比したいゴムを過酷な条件の下で試験をし、そのゴムの《保持率(%)=試験後のゴムのパワー/オリジナル時のパワー×100》を把握することによってそのゴムの耐久性を見る試験です。

なお、衣料着用時を考え、「伸長率20%時の保持率」を重視すべきだと考えています。試験方法としてはいろいろな方法があると思いますが、一番妥当だと思われるのはゴムにとって劣化を促進するであろう4つの試験①洗濯試験②耐光試験③耐熱試験④伸縮試験をした後の保持率対比が適当だと思われます。

【注意点】商品毎の検査結果を客観的に対比するためには、必ず試験精度の高い同じ検査機関のデータで対比をすることが重要です。耐久性試験方法としては「セシール法」があります。カケン・QTEC、ボーケンなど公共検査機関にて試験することができます。

「ゴムひも類耐久性試験 セシール法」 平成6年7月1日制定

1)判定基準

疲労試験後の保持率が共に60%以上とする。

疲労試験後の保持率が共に70%以上とする。(1998.3.23改定)

2)試験方法

【1】疲労試験(1サイクル)

a ビーカーに0.5%のマルセル石鹸を入れ、その中に資料を浸漬し沸水中で1時間加熱、処理後は水洗乾燥する。

b ギャーオーブン(80℃)で24時間処理する。

c サンシャインウェザーメーター(Bパネル温度63℃・18分/120分噴霧)で8時間処理する。

※(別法)サンシャインウェザーメーターに替え、カーボンフェードメータで2時間ごとに噴霧器により資料を湿潤させる方法(平成6年10月高松試験室確認済み)

d デマッチャー試験機で450回伸長を繰り返す。

掴み間隔6cm、伸長率2.5倍(150%)

【2】引張応力の測定(N=3)

a 条件   ※掴み間隔 5cm ※伸長率 2.0倍(100%)

※初荷重 無し ※引張速度 20cm/分 ※繰返し回数 3回

b 測定   40%、80%の伸張時と収縮時の応力を測定する。

2.ゴムの耐久性試験「ドライクリーニング」

現在市場で流れているほとんどの「天然ゴム糸使用ゴム」は、ドライクリーニング試験で劣化が早く進みますが(株)気谷が販売している「ロンデックス社製ゴム糸」は、非常に高品質でポリウレタンに匹敵するくらいの対ドライクリーニング性に優れています。

「ドライクリーニング試験方法」

【1】ドライクリーニング処理

試料を洗剤入り石油系溶剤中に10分間処理し、取り出して余分な液を除いた後に、石油溶剤で軽く洗浄し、40℃恒温機で乾燥する。

※洗剤入り石油系溶剤は、石油溶剤100ml中に、ラビゾールB-90を0.5g、ノイゲンEA-120を0.5g、及び水0.1mlを入れて撹拌して調整する。

【2】ギヤー老化処理

ギヤー老化試験中、80℃で8時間処理をする。

【3】張力測定

ドライクリーニング処理・ギヤー老化処理後、16時間以上経過してから張力を測定する。

※【1】~【3】を6サイクル行う。

この試験の結果、「ロンデックスゴム糸」使用ゴム製品と「ライクラ糸」使用ゴム製品においてドライクリーニングに対する耐久性はあまり差が無なく、他社の天然ゴムに比べ耐久性の良いゴム糸であることがわかりました。

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